オトナルカカ   シリアス








When I get you alone






35.    36.    37.    38.    39.    40.











35.


次の日、俺は影分身をカカシ先生の傍らに残して火影室に向かった。
自室には新しい強力な結界を張り直し、俺とカカシ先生以外の人間を全てシャットアウトした。



しばらくして、サクラちゃんが火影室に怒鳴り込んで来た。
サクラちゃんは毎朝一番にカカシ先生の様子を見に来てくれていたが、俺の影分身に追い出されたのだろう。


「ナルト!やっぱりあれは影分身ね!部屋に入れないってどう言うことよ!」
「サクラちゃん、カカシ先生のことはもういいってばよ」
俺は火影の椅子に座って巻物を手にしたまま、顔だけを上げた。
「何がいいのよ?!あんた何言ってんのよ!ともかくふざけてないで、結界を解きなさいよ」
「だから、もう体調は戻ったし、サクラちゃんに診て貰うほどの事もねーだろ」
「だからって、なんであたしを入れないのよ!」
サクラちゃんは机に手を叩きつけて、怒鳴っている。

「すぐに記憶は戻りそうもねーし、後は俺がずっと面倒見るってばよ」
「ちょっとナルト。あんたが面倒見るって、それとこれとは話が違うでしょう!」
「それもこれも一緒だってばよ。記憶もチャクラも戻らねーんじゃ忍者にも戻れないんだ。だったら、もうサクラちゃんにも面倒を掛けることはねーってばよ」
「面倒って!あんた何を言って……」
サクラちゃんは怒りに顔を真っ赤にして、開いた口が塞がらないと言った風に口をパクパクさせている。


「おい、ナルト」
俺たちのやり取りを聞いていたシカマルが、堪らずに口を挟んで来た。
「お前、何やってんだ。カカシ先生の記憶が戻らないからっていらついているのはわかるが、心配してんのはお前だけじゃねーだろ。カカシ先生はお前のものじゃない。それにカカシ先生は木ノ葉の忍びだ」
「シカマルも、もう俺たちのことは放っておいてくれ。カカシ先生の忍者登録も抹消する」
「お前、そんなこと勝手に!」
「抹消が駄目だったら、カカシ先生はもう引退だ。後は静かに俺と暮らすってばよ」
「あんた横暴よ!あんたに何の権利があって!」

権利?
権利だって?
そんなもん、あるに決まっているだろう?
俺が世界で一番、カカシ先生を愛している。
俺が世界で一番、カカシと先生を必要としている!


「カカシ先生は、今も昔も俺の家族同然の人だ。血は繋がっていなくてもこの世でただ一人の俺の家族だと思ってる。勿論、カカシ先生だってそう思ってくれていた。だからカカシ先生の今後は家族同然の俺が責任を持つ」
「そんな……あたしだって……あたしだって………あたしたちは第七班の仲間でしょう。そんなのおかしいわ」
「おかしくねーってばよ。サクラちゃんにはサクラちゃんの家族がいるだろう。仲間と家族は違うんだろう?」
「そうだ、ナルト。仲間と家族は違う。お前はカカシ先生のことを家族と言うなら、俺たちはカカシ先生もお前も、仲間だ。仲間の心配をして何が悪い?」
「だからカカシ先生はもう引退させるって言っているんだ」

だから俺だけの家族だ。
もう俺だけのカカシ先生だ。


「ナルト!」
サクラちゃんが甲高い悲鳴のような声で怒鳴る。
「サクラちゃんには感謝している。だけどもう、いいんだ。カカシ先生はもう忍者じゃねーから」
俺たちのことは放っておいてくれ。
サクラちゃんは縋るようにシカマルに視線を移した。
シカマルは、サクラちゃんに首を振って見せた。

「カカシ先生も同意していてるのか?」
「当たり前だってばよ」
俺は笑って答えた。


当たり前だ。
カカシ先生も同意しているに決まっている。
やっと俺の元に帰って来てくれたんだから……
やっと俺だけのものになってくれたんだから……



それから俺は、二人が何を言ってきても笑って突っぱねた。



誰にも、俺の邪魔はさせねー。









36.


「も、もう許して、ナルトくん……」
カカシ先生が息も絶え絶えに訴えかける。
泣き濡れた瞳が相変わらず色っぽい。
そんな目で見ても駄目だ。
俺を煽るだけだってばよ。


「許してじゃねーだろ、カカシ先生。もっと、もっとって、カカシ先生はねだったってばよ?ほら、ここ、まだまだ食い足りなそうだ……」
「いやだっ、もう止めて!あっ、あっ、ああっ、ナルト君!!」
「ナルトだってばよ、カカシ先生、俺はナルトだってばよ!」


思い出せ!
思い出せ!
この身体で思い出せ!

狂おしいほど熱く激しく俺を包み込んでくれていただろう?
俺を咥えて悦んでいただろう?
カカシ先生の身体は俺のことを覚えているだろう?


俺は昼も夜も関係なく、カカシ先生を貪り続けた。
結界を張り、閉ざされた二人きりの部屋で……
カーテンも開けず昼も薄暗いこの部屋の中で……

カカシ先生に溺れて行く……





「ナルト、いい加減にしないか」
「ヤマト隊長には関係ないってばよ」
そして、次の日には、やっぱりヤマト隊長が執務室にやって来た。
「関係ないことがあるか」
「だったらどんな関係があるって言うんだってばよ」
ヤマト隊長は、はぁ、と深い溜め息をついた。

「君ねぇ、こんなことして、どうしようって言うんだい。いつまでも続くわけはないだろう?人、一人を閉じ込めておくなんて常軌を逸しているよ」
常軌を逸しているだって?
そんなことかまわねー。
そうさ、俺はとっくにおかしくなっている。
どう思われたってかまわねー。


俺は狂ってる。
カカシ先生が記憶を失って戻って来た時から。



「五年前、君とカカシさんの間に何があったのかは知らない。だけど、カカシさんの記憶が戻ったとしたら、カカシさんは悲しむよ。カカシさんは、君をこんな風にするために『草』になったわけじゃない」

俺は狂ってる。
カカシ先生が五年前、俺から去って行った時から。


「カカシさんだって苦渋の決断だったんだろう。それでも、君のためだったんだろう」

俺は狂ってる。

カカシ先生が俺を受け入れてくれた時から。


「君だってちゃんとわかっているんだろう?火影として立派にやっていたじゃないか。君は、今、火影なんだよ?」


俺は狂ってる。


カカシ先生を、好きになった時から……



カカシ先生が俺を狂わせたんだ!









37.


カカシ先生は無茶苦茶に暴れて激しく抵抗をし俺を罵倒し続けていたが、その内、諦めたのか大人しくなって来た。


だって俺はカカシ先生に酷いことなんかいっこもしないだろう?
カカシ先生が暴れたりしなければ殴ったりなんかしねー。
カカシ先生が俺から逃げようとしなければ、無理矢理突っ込んだりしねー。

なんたってカカシ先生は俺の大事な人なんだから。
何よりも誰よりも愛しい人なんだから。
一生、俺が大切にする。


カカシ先生、ずっと側にいてくれ。

カカシ先生、もう俺を置いていかないでくれ。

ずっとずっと俺と一緒にいてくれ。

俺を離さないでくれ……



俺が引き寄せれば、カカシ先生の身体は素直に俺の胸に落ちて来る。
俺が触れれば、カカシ先生は身体を固くするけれど、拒みはしない。
そっと足を開けば、カカシ先生は顔を背ける。

カカシ先生、俺を見て!
俺を見てくれってばよ!

ずっとずっとカカシ先生は俺を見守って来てくれただろう?

俺を見て!

俺を思い出して!


俺から目を反らすな!


我武者羅にカカシ先生を抱きしめ揺さぶれば、カカシ先生が悲鳴を上げる。
哀切を帯びた悲鳴が、淀んだ部屋の空気を震わせる。




「先生、飯が出来たってばよ」
殆どベッドから出られなくなってしまったカカシ先生に代わって、食事の用意をする。
盆に載せた夕飯を運んで戻ってきたら、カカシ先生はベッドに座り写真立てを手にしていた。
ベッドサイドの棚に置いてあった、カカシ班の四人の写真だ。

「カカシ先生?」
カカシ先生は声を掛けられて初めて、俺が部屋に入って来たことに気が付いたように、はっと顔を上げた。
そして何も言わずに写真立てを元の場所に戻そうとした。
「あっ」
だが写真立ては上手く立たずに、かたんと倒れて床に転がり落ちた。
落下の弾みで裏の板が外れ、枠とガラスと写真がばらばらに散らばった。
慌てて全てをかき集めるように拾い上げたカカシ先生の動きが、ぴたりと止まった。
もしかしてガラスが割れて手でも切ったか?
俺は用意して来た食事の載った盆をテーブルに置いて、カカシ先生の手元を覗き込んだ。

カカシ先生の手の中には写真が二枚あった。
初代カカシ班の写真と……
カカシ先生の子供時代、ミナト班の写真だった。

どうして、この写真がここに?









38.


ミナト班……四代目とカカシ先生と、カカシ先生に写輪眼を遺してくれたオビトさん、それからリンと言う医療忍者の女の子の写るこの写真は、勿論カカシ先生の物だった。
この写真は、俺たちが暮らしていた家で、今ここにある俺の持ち物である元祖カカシ班の写真の隣に置かれていたものだ。

カカシ先生が持っていたカカシ班四人の写真は、「同じものを飾っておいても仕方ないね」と言って、カカシ先生は自分の持ち物の中へしまってあったはずだ。
そして五年前、あの部屋から去って行く時に、このミナト班の写真も持って行ったと思っていた。
カカシ先生は「草」となり木ノ葉から去って行ってしまったから、もしかしたらこの写真も俺たちの写真も、全て処分してしまったのではないかと思っていた。

それがこんな所にあったなんて……
俺の写真の下に重なるように入れられていたなんて……
カカシ先生がここに入れて行ったなんて……
俺は全く気が付かなかった。


カカシ先生は、四代目と写っている写真を食い入るように見詰めている。
「カカシ先生?」
何か思い出したのか?
「それ、カカシ先生の写真だってばよ」
「……違う……」
カカシ先生は首を横に振った。

「カカシ先生の写真だってばよ。ほら、これが先生だろ」
俺は右側の子供を指差した。
銀色の髪で、マスクをしているが、今とはだいぶ雰囲気が違う。
生意気そうな顔をしている子供だった。

「これがオビトさんで、こっちがリンさん。で、これが四代目で、先生の先生だってばよ」
カカシ先生は、また微かに首を振った。
「波風ミナト。先生の先生で、俺のとーちゃんで四代目火影だってばよ。この写真はずっとカカシ先生が大事にしていたものだ」
「私の写真じゃないよ」
「先生の物だってばよ。忍者になって上忍師についた時に撮るんだ。カカシ先生のいたミナト班だろ。こっちのカカシ班の写真も、先生も同じものを持っていたってばよ。だけどこのミナト班の写真は先生の写真だってばよ」
「違う……君の写真だよ」
カカシ先生は何故か頑なに認めない。

もしかして、とーちゃんと俺が似ているから混同しているのかな?
「これは俺のとーちゃんだってばよ。髪の色は似ているけど、俺じゃねーだろ?」
「これも、これも、君の物だよ」
カカシ先生はそう言ながら、元通りにカカシ班の写真の下にミナト班の写真を重ねてしまった。
そして、そのまま写真立てを組み直し俺に押し付けて来た。

「今度新しい写真立てを買って来るってばよ」
二枚の写真を並べて飾ろう。
そうしたら、昔みたいになる。
俺はそう思いながら、写真立てをベッドサイドの元の位置に戻した。









39.


「ナルト、いい加減にして!目を覚まして!」

ある日、サクラちゃんが、突然、そう叫んだ。
新人医療忍者の研修の報告をしに来たのに、サクラちゃんってば、どうしたんだ?
俺はいつだって目を覚ましているってばよ?

「サクラちゃんこそ、どうしたんだってばよ?最近、変だってばよ?何か困ったことでもあるのか?なんか悩みでもあるのか?」
「ナルト、ふざけないで!」
「それとも誰かに苛められたりしたのか?ブスとか怪力とか。誰に言われたってば?言ってみろ。俺が懲らしめてやるから」
「……ナルト……」
サクラちゃんは辛そうな声で呟き、眉根を寄せて俺を見詰める。
物凄く悲しそうな顔をしている。
やっぱり、誰かに酷いことを言われたのか?

「サクラちゃんを苛める奴は俺が許さないってばよ」
そう言うとサクラちゃんはシカマルをちらりと見た。
「シカマル、シカマルなのか!サクラちゃんを苛めたのは!」
「ばーか、俺がそんな子供みたいな真似をするか。サクラを苛めているのはお前だろ、ナルト」
「はっ?」
何を馬鹿なこと言っているんだ?
シカマルも時折り、わけのわからないことを言う。
俺が、大切な仲間のサクラちゃんを苛めるわけねーだろ。

なあ、サクラちゃん?
なんでも言ってくれ。
俺に出来ることならなんでもしてやるってばよ?
サクラちゃんは俺の大事な大事な仲間だ。

眉根を寄せて悲しそうな顔をしているサクラちゃんを見て、再びシカマルに視線を戻すと、シカマルは黙って肩を竦めていた。





「な、カカシ先生は、どこにもいかないでくれ。俺の前から黙って消えたりしないでくれ」
「あっ、あっ……ああっ………」
「カカシ先生、約束してくれ!」
「ああっ、も……もっ……ナルトくん……止めてっ……ああっっっ!!」
「ナルトだってばよ!ナルトって呼んでくれ。ナルトって呼んでくれるまで止めないってばよ!」
「ひっ……あっ、あああーーっっっ!!!」

「カカシ先生、約束してくれ、ここにいるって。俺とずっといるって!」
「約束する……ああっ……くっ……アァッッッッ……約束するからっっっっ!!!!」
「ホントだってば?もう二度と、俺の側から離れないってば?もう一度だ。もう一度、言ってくれってばよ」
「約束するから……はっああああっっっ……離れないからっ……も……許し……て……」

俺はカカシ先生に何度も何度も言葉をねだった。
何度も何度も、言葉にして約束をねだった。

繰り返し繰り返し、約束をさせた。



だけど……
記憶が戻ったら……

カカシ先生は記憶が戻ったら、また去って行ってしまうんだろう。
何も言わずに、また俺の前から消えてしまうんだろう?


「カカシ先生、お願いだ……お願いだ……俺を二度と一人にしないでくれ……」
「……あっ、アアッ……ああああああっっっ……許してっ……ナルト……許して……」
カカシ先生は何に対してそんなに許しを請うんだろう。

「俺といてくれ……一生大事にするから……俺にはカカシ先生だけだから……」
「ナ……ルト……ナ…ル…ト……もう、許して………ひっ、あああああっっっっっっっ……」
カカシ先生は息も絶え絶えに悲鳴を上げ続ける。


カカシ先生……

カカシ先生が消えたら……

俺はどうなっちまうのかわからない。

カカシ先生がいなくなったら、俺はどうしたらいいんだ?

俺は、どうなっちまうんだ?









40.


「もう俺は、カカシ先生がいなくなったら生きていけないってばよ。もう俺は駄目だ。もう耐えられない。どうしてカカシ先生と離れて生きて来れたんだろう。カカシ先生、もう消えないでくれ。俺を置いていかないでくれ!」
「消えないよ。どこにも消えたりしない」
ぼろぼろと涙を流しながら、縋りつく俺の背中をカカシ先生がそっと撫でてくれる。

「消えちまうってばよ!カカシ先生は記憶が戻ったら、また俺から離れて行くに決まっているってばよ」
「消えないよ。消えないから、泣くな、ナルト」
俺が何度も強要して、ようやくナルトと呼び捨てで呼んでくれるようになっていた。

こうして以前通りに呼ばれると、昔のままのカカシ先生みたいなのに、未だカカシ先生は記憶が戻っていない。
俺は、カカシ先生の記憶が戻って欲しいのか、戻って欲しくないのかわからなくなって来てしまった。
ずっと、このまま二人きりでいたい。
二人きりでいたいのに!


「思い出しても、ここから出て行くなんて言わないでくれ!」
「だから、出て行かないよ、ずっといる。ナルトといるから」
「嘘だ!カカシ先生は絶対に俺から去って行く!俺のためだって言って去って行く!」
「行かない。行かないよ。だから大きい図体をして泣くな……」
「約束してくれ、カカシ先生、約束してくれ……」
もう二度と俺を一人にしないと誓ってくれ。

「俺を置いて行くって言うんなら、もう二度と、ここから出さない。去って行くって言うんなら、俺は追い掛ける。今度は絶対に追い掛ける。何もかも捨てて追い掛ける。火影を捨てて追い掛けるってばよ!」
「馬鹿なことを言わないでくれ、ナルト。そんなこと言うもんじゃない」
俺は闇雲に首を打ち振った。
もう、駄目なんだ。
もう、一人では生きていけないんだ。
カカシ先生がいない世界なら、死んだ方がましだ。

「俺はもう、一人では生きていけないってばよ……」
「君は一人じゃないだろう。君のことを真剣に心配してくれる仲間がいるだろう?」
「そうじゃねー!そうじゃねーってばよ!違うんだ!カカシ先生はそう言うのと違うんだ!」
俺は……
俺は、自分がこんなになっちまうなんて思いもしなかった。
生きているのが辛いだなんて思う日が来るとは思いもしなかった。


「私は、ナルト……君に酷いことをしたんだな……」
ぽつりとカカシ先生が呟いた。
酷いこと?
違う。
カカシ先生はいつだって俺のために……
俺のために……

「私は君に、簡単に謝って済まされないようなことをしたんだろう?」
そうじゃねー!
カカシ先生は……

「ごめんな、ナルト。私が生かされた意味は、きっと君に償うためだったのかもしれないな」
違う!
違う、違うってばよ!

「君が救ってくれた命だから、君のいいように……」
そうじゃねー。
俺は……
俺はただ、カカシ先生と!

「すまない、ナルト……」
謝らないでくれ!
俺はそんな言葉が欲しいんじゃない!

「許してくれ、ナルト……」
何を許すんだってばよ!

許さねー。
俺から離れて行くことは許さねー。

「俺のためを思うなら、俺といてくれ、カカシ先生……」
俺は必死でカカシ先生に縋りついた。
「いるから。ここにいるから……」
「約束してくれ、カカシ先生」
「約束するから……」
カカシ先生は、小さな子供を宥めるように抱きしめ返してくれる。
瀕死の状態の時が嘘のように、暖かな身体だった。
昔と変わらず、優しい腕だった。

「俺の名前を呼んでくれ」

「ナルト……」

「ナルト……」

カカシ先生が呼ぶ俺の名前。
心の中に染み渡るような声。
涙が止まらない。
その優しい声で、愛しているって言ってくれ!

「カカシ先生、カカシ先生……お願いだ……」


俺は繰り返し繰り返し、約束の言葉を強請り続けた。








第四部 完



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